【ネタバレ感想】『マイティ・ソー バトルロイヤル』ポップなノリにあふれた意欲作
※ネタバレあり※
新たな幕開けの予感
『マイティ・ソー』シリーズの3作目です。『キャプテン・アメリカ シビル・ウォー』には参加していなかったソーとハルクが大活躍しています。
今作はコメディタッチで、今までとは雰囲気も大きく違いましたね。マーベルらしさを前面に押し出したエンタメ作品に仕上がっていました。
個性的なキャラ
主人公ソーをはじめ、登場するキャラクターたちが個性的で面白かったですねー。
ソー(クリス・ヘムズワース)は今作で短髪にイメチェンしています。スタン・リーに髪をバッサリ切られたおかげで爽やかな感じになりました。(個人的にはこっちのほうが好きです)
ロキ(トム・ヒドルストン)に関しては、もはや完全なるお笑い担当と化していました(笑)。
それからグランドマスター(ジェフ・ゴールドブラム)の気持ち悪さが素晴らしかったですし、スカージ(カール・アーバン)の立ち振る舞いも良いキャラしていましたね。
こういったぽっと出のキャラクターにも魅力を与えられるのは、マーベル映画の大きな特徴であり強みだと感じます。
アベンジャーズの他メンバーたちと比べると、正直ソーとハルクは強すぎる気がします。2人とも規格外のパワーを持っているので、アベンジャーズの一員としては扱いにくいキャラなのかなと思ったりもしていました。そのせいかは分かりませんが、『キャテン・アメリカ シビル・ウォー』に2人は登場していません。
しかしついに今作で、この2人に活躍の場が提供されることとなりましたね。ソーとハルクのバディものとしても楽しめる映画になっていたので、テンション上がりっぱなしでした。
それから大筋とは関係ないのですが、冒頭の茶番劇の出演者が無駄に豪華でしたね(笑)。ソー役はクリス・へムズワースの実兄であるルーク・ヘムズワース。オーディン役はサム・ニール。そしてロキ役はあのマット・デイモンです。顔面蒼白のマット・デイモンが妙に面白かったです。
2人の成長物語
今作は基本的に明るい雰囲気で描かれていますが、冷静に考えるとめちゃくちゃ重い話なんですよね。
ソーに関しては踏んだり蹴ったりです。映画冒頭で父親を亡くし、大事なハンマーを破壊され、髪の毛も失います。そしてヘラとの戦いでは片目も失い、最後には自らの故郷であるアスガルドまでもが消えてしまいます。
これらの精神的な支えが次々と無くなっていく中でソーの心情にも変化が表れ、土壇場で雷神として覚醒するに至ります。
ヘラとの最終決戦においても、ただ正面突破するのではなく機転を利かした作戦を実行するようになります。(結局ほぼ逃げたような形になったので、あまりカッコ良くはないかもしれませんが)
今まではかなり無鉄砲な性格でしたが、精神的な成長も窺えます。映画の最後でソーが王座に座る際には、風格もバッチリありました。
さらにハルクに関しても、今作で大きな変化が起こっていましたね。少し前までは全然喋れなかったのに、今作では周囲の人達と普通に会話しています。人類の進化を見ているような気分になりました(笑)。
また、怒りに身を任せて行動する「破壊の化身」だったハルクが、周りの状況を見て冷静な判断をする場面などもあり、より人間的になってきている気がします。
このような物語の中での2人の変化が印象的でした。
まとめ
戦闘シーンの迫力なども素晴らしく、非常にコメディ色の強い作品に仕上がっていましたね。あと選曲も好きでした。
あえて文句をつけるとしたら、邦題の「バトルロイヤル」が微妙ですね。原題通り「ラグナロク」でよかったんじゃないかと思います。
すべてが安定の面白さでした。大満足です!