【ネタバレ感想】『ジャスティス・リーグ』はDC復活のキッカケになるのか
※ネタバレあり※
DCコミックス渾身の1本
マーベル作品とは対照的に、今までは暗い雰囲気の作品が多かったDCコミックス作品。今作ではそんなイメージを払拭するような明るく痛快なストーリーが描かれています。かなり気合を入れて作られているのを感じましたね。
正直この路線変更に関しては賛否両論あると思います。これが吉と出るか凶と出るかはまだ分かりませんが、DCコミックスが大きな転換期にあることを予感させられます。個人的には以前のDC作品の雰囲気がかなり好きだったのですが、今作も普通に楽しめました。
メンバーは何者なのか
バットマン、ワンダーウーマン、スーパーマン、フラッシュ、アクアマン、サイボーグ。今作では6人のヒーローが登場します。
しかしこの面子を見てピンとこない方も多かったのではないでしょうか。
『ジャスティス・リーグ』の関連作で今までに公開されている映画は以下の3つです。
バットマン、ワンダーウーマン、スーパーマンは過去作に登場していますが、ほかの3人は登場していません。
マーベルの人気シリーズ『アベンジャーズ』では、事前にそれぞれのキャラクターにフォーカスした映画を作っているので、各人がどんな人物なのかすぐに分かります。
今作はそのような下地が出来上がる前に作られたため、キャラクターのバックグラウンドがイマイチ伝わらないという事態が起きてしまったのです。
批判的なことを書いてきましたが、映画自体はめちゃくちゃ面白かったんですよね(笑)。そのため、こんなに焦って公開しなくてもよかったんじゃないかと思ったりもしました。
ちなみに『フラッシュ』はテレビドラマシリーズが公開されていますね。『アクアマン』と『サイボーグ』に関しては今後制作される予定みたいです。
とにかくスケールがデカイ
今作の敵であるステッペンウルフとの激闘が世界各地で繰り広げられますが、そのスケールがハンパないです。街がひとつ消滅するのなんて日常茶飯事です。
ヒーローそれぞれのスペックが高いんですよね。ワンダーウーマンはノーモーションで高速移動できますし、アクアマンなんかはビル1棟突き破っても全くの無傷です。
なんといってもフラッシュがいいキャラしてましたね。超高速移動の演出もカッコよかったです。
バットマンも超人たちに肩を並べようと頑張っていました。ただ彼は普通の人間なので、自らの不甲斐なさにひねくれてしまったりもしますが、それが良い味を出していましたね。
スーパーマンの復活
さらに今作では『バットマンVSスーパーマン』で死亡したスーパーマンが生き返ります。この展開には驚きました。映画公開前に散々「ネタバレ厳禁!」と言われていたのはこの事だったんですね。
正直スーパーマンに関してはスペックが高すぎます。ほぼチートです。復活直後は我を忘れて他のヒーローたちに襲いかかってきますが、5人がかりでも全く歯が立たないです(笑)。超高速移動中のフラッシュを目で追うシーンの絶望感ったらないですね。
ステッペンウルフとの最終対決でも彼の加勢によって一気に形勢逆転していましたし、メンバー内のパワーバランスが完全に崩壊しています(笑)。
敵キャラの弱さが気になる
ヒーロー映画における悪役ってものすごく重要な立ち位置だと思うんですよね。強くてある種のカリスマ性を持つ敵を撃破した時に、カタルシスが得られると思います。
今作の敵であるステッペンウルフ。冒頭のシーンではアマゾネスたちを蹴散らし、強キャラの風格がありました。
ただ彼は今作初登場なので、限られた時間を使って自らの設定をペラペラと語るんですよね。そのふるまいから小物臭を感じてしまいました。そして部下にも恵まれていません(笑)。
最後はスーパーマンに軽くあしらわれ、情けないやられ方をしてしまいましたね。
今作は「ジャスティス・リーグ」の結成を描いた物語なので、これはこれで問題ないのかもしれませんが、この点は少し気になりました。
まとめ
魅力的なキャラも登場しますし、映像も迫力あって盛りだくさんの楽しい映画でした。最後はヒーローたちが「希望」を見出し、映画は前向きに締めくくられており、素直に心に響きました。
もともと今作の監督を務めていたザック・スナイダーが諸事情によって降板してしまい、作風が変わった部分もあると思います(ちなみに後任は『アベンジャーズ』を手がけたジョス・ウェドンです)。
ザック・スナイダー版『ジャスティス・リーグ』も見てみたいですね。
とにもかくにもDCコミックスにおける新たなシリーズが生まれたのは確かです。次回作を楽しみに待ちたいと思います。